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漢方閑話㉒ 名のない仲良し会

「漢方閑話」は『富士ニュース』に投稿しているコラムです。
こちらでは過去に投稿したものを転載します。
今回は2018年5月に投稿された漢方閑話をご紹介します。

◇高校卒業後2年に一度各人の居住地の京浜、関西、富士で仲良し会を開いてきました。いつも観光と食事、カラオケに行くのがならわし。富士に生まれ育ち60年間故郷を離れた人たちに何か「富士」のおもてなしができないかと思案してきました。その時「俺が企画する」と張り切っていた仲間がいました。魚河岸で新鮮な魚料理をふんだんに食べさせてくれみなに「金目鯛の刺身は初めて食べたと。」今も語り草になっています。その彼と連絡が取れなくなり認知症が「再発」したとの電話が最後となりました。
◇来年は傘寿を迎えつつあるものにとって認知症は他人事ではなくなってきました。アルツハイマー病や血管性認知症など認知症とその軽度の認知障害の人の数は1000万人を超えているそうです。65才以上の4人に一人は認知症と軽度認知障害と考えられその最大の危険因子は加齢です。年齢を重ねれば重ねるほど認知症になるリスクは高くなり70才では4%、80才では22%、80才代後半では半数以上が認知症だとされています。超高齢化社会を迎えているわが国では誰もが認知症になる時代に突入していると言えます。友人の「認知症が再発」したとは以前からの病状が進んでいたということでしょう。友人は何ら躊躇することなく話してくれましたが果たして認知症になったらどう対処したらよいのでしょうか?「俺、認知症になっちゃった!」という会話が飛び交うのでしょうか?家族は?以前妹さんが認知症になって施設に入っているという方がありました。
◇脳神経の神経伝達物質が破壊され神経の伝達に異常をきたす。あるいは脳内にアミロイドという毒性物質が蓄積しこれらがアルツハイマー病を発症させると考えられています。その姉は当時自分が服用していたアミロイドを排除する作用のある薬品を妹に飲ませたところ病状が改善したとのことです。漢方では陰陽、水火、気血の過不足を診て病に対処しています。脳を養っているのは心肝腎の精血です。それを犯す毒素は痰濁瘀血です。精血の消耗を防ぎ、痰濁瘀血を除くことが未病先防、認知症予防の秘訣です。田子の浦みなと公園から母校、朝霧の牛乳、田貫湖周遊ウオーク、浅間神社、リクエストの焼きそば、文化遺産センターの富士百態を見て海抜ゼロから3776メートルの世界への誘いを富士のおもてなしとしました。

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